お雛様の飾りのなかで、人気の三人官女。歌にも出てきますので、よく知っている人も多いでしょう。
実は三人官女の真ん中一人だけ、お歯黒があるんですよね。あらためて発見してびっくりした!なんて経験はありませんか。
お歯黒にはきちんした理由があるんですよね。お歯黒自体は既婚者や年長者を示しているのはわかりますが、その先のなぜ年長者はお歯黒にしたのか?をひも解くと楽しいですよ。そこで
三人官女のお歯黒の理由やエピソードを紹介しましょう。
三人官女のお歯黒が気になる・・
三人の官女の真ん中の女性は、既婚者または年長であると設定されているので、お歯黒にしています。
江戸時代ではよくある化粧の方法で、
既婚者やまたは、当時結婚してもおかしくない年代の女性は
- お歯黒
- 眉を落とす
このような化粧をしていました。
年長者がお歯黒にする理由は諸説ありますが、
- 人妻は表情を見せないようにするため
- 歯のダメージを目立たせなくするため
と言われています。当時一定の年齢に達した女性は、喜怒哀楽をあらわにしないことが良いとされていました。
また昔は栄養状態があまりよくないことも多く、産後の影響で、歯がよろしくない状態になることもあったのです。
「子供を一人産んだら歯が一本無くなる」なんて言葉もありました。そこで、歯のダメージを目立ちにくくするためにお歯黒をしていたそうです。お歯黒自体に、歯周病予防や虫歯予防効果もあるのです。
ドラマや映画でお歯黒&眉がないのをみると、ちょっと異質な感じがしますね。きれいとは言えないような・・。表情を見せないようにいしていたそうですが、今現在はやりたくないですね。
話を雛人形に戻しますと、
3人官女の真ん中の方は既婚者あるいは、年齢の高い年長者=位が高いということを表しています。
3人官女の真ん中の官女の口元を見ると歯が黒くなっていて、眉も薄いはずです。ほとんどない場合も。
またお歯黒を見せるために、口を開けている官女も多いですよね。
基本的に女官は独身をとおすのが原則です。両側の若い女官の先輩的な役割や女官長的な存在であるともみられます。
3人官女の一人が既婚者/年長者である理由は?
なぜ3人官女の一人は年長者なの?と思うのではないでしょうか。結論から言って、
『特に深い意味はない』
ということになります。お雛様とお内裏様の1対の雛人形自体は室町時代末期に発生したと言われています。
今のように5段、7段飾りになったのは、江戸時代後期からです。意外と最近ですよね。
お内裏様とお雛様以外のお人形を製作してく中で、三人官女の一人をベテランにして、両側の若い二人をサポートするというストーリーや役割を持たせたのではないでしょうか。
3人官女の端の官女にもお歯黒が!
雛人形によっては、三人官女の真ん中だけでなく片側の官女にもお歯黒が施してある場合があります。眉毛があるのに、お歯黒だけある・・なんて官女もいます。
もともとそのように設定されている雛人形があるのです。ただ、あまりないですね。もしかしたら、ミスということがあるかもしれません。
もしもお歯黒が気になる官女がありましたら、人形を制作した会社に問い合わせするとよいでしょう。
終わりに
三人官女のお歯黒のエピソードでした。江戸時代まで続いたと言われる、既婚者や年長者におこなうお歯黒と眉毛の薄いメイク。
かなり独特で、現代では絶対やりたくないですね笑。三人官女の真ん中の女性を年長者にみたてることで、お歯黒の習わしが再発見できますね。